植林予定地を、植え付けやその後の保育作業がしやすいように、また表土が雨によって流されたりせずに植栽木が健全に育成するように、支障となる灌木、雑草、ササ等を刈り払い、刈り払った灌木等を集積、整理する作業です。
この作業は冬に行います。
苗畑で高さ30〜50cmに育ち、根がしっかりと発育した苗木を、地ごしらえをした林地に植え付けます。
植え付けの本数は、どんな木材を生産するかなど林業の目的によっても異なりますが、だいたい1ha当りスギは2,500本、ヒノキは3,000本ぐらいです。
この作業は通常少し暖かくなってきた春に行います。
植え付けされた苗木の生長が雑草や灌木によって妨げられることのないように、周りの雑草や灌木を刈り取る作業です。
普通5〜8年間行われますが、雑草やササがよく繁茂する場所では、最初の2〜4年間は年2回ほど行います。
この作業は夏に行います。
下刈り作業が必要なくなるほどに植栽木が成長した段階で、植栽木の成長を阻害するような自生木や植栽木の中でも曲がったり傷ついたもの、成長が劣ったりするものを除去する作業です。
この作業は秋から冬にかけて行います。
節(ふし)の少ない木材をつくる、幹の先と根元で太さにあまり差のない状態にする、林内に光が入るようにする、林内の作業性を良くする、などの目的で枝を切り落とす作業です。枯れた枝を切る「枯枝打ち」と、成長を抑制するための「生枝打ち」があります。
どんな木材を生産するかの目的の違いにより、枝打ち回数も1〜数回と異なります。
この作業は厳冬期に行います。
樹木の生長によって込みすぎた状態になった森林を適度に間引いて、残した樹木が健全に生育できるような空間をつくるための作業です。
劣勢木や被害木、材質の不良な木などを切り捨て、森林を健全に育てるものです。
この作業は秋から冬にかけて行います。
一般の間伐方法では、伐る木と残す木は一本ごとに決められるため、伐って搬出する場合対象となる間伐材は林内に広く散在することになります。このような作業方法では、能率が低く生産コストが高くなります。
しかし作業路を整備し、間伐する木を列状に選ぶことにより、スイングヤーダ・プロセッサ・フォワーダ等を使う効率の良い作業システムを実行することが可能になり、生産コストを抑えることができます。
最終的な収穫として行う伐採をいいます。
通常、皆伐作業が行われます。スギやヒノキでは通常植え付けから50年ほどで主伐を迎えますが、近年は主伐期を延ばして60年、80年、場合によっては100年以上とする例もあります。
主伐のときの本数は樹種や林齢によって大きく異なりますが、スギ林の場合、通常1ha当り300〜600本程度です。
主伐後再び地ごしらえをします。
このように、森林は長いスパンで整備され、環境が守られています。
参考資料:「森林の手入れ基礎知識」(財)日本緑化センター